企業のサイズによって優先度が変わる

jFuneral.com のポッドキャストで葬儀のマーケティングについて何度もお伝えしているけど、マーケティングというのは「誰に」「何を」「どうやって」の順番が基本である。
だから商品企画が重要である。

普通の葬儀屋さんには商品企画部はないです。
ほとんどが業務部で現場主義だからです。

商品の開発にはきちんとした段取り(戦略と戦術)が必要です

その商品はモノでなくても役務も同様です。

私も30年以上も前の話だが(基本的にマーケティングというのは100年間なにも変わっていないし今後100年も変わらないのは「心理学」要素であるからだ)、上司が「こんなに良いものを作ったんだから売れるはずだ」と言って、「チャウチャウ (ヾノ・∀・`)」と新入社員のときで言った。

メーカーというのは「開発」「企画」「製造」「営業」があって話を進める。
もちろん、その前後には「経理部」「品質保証部」「テスト部隊」「物流」なども存在するし、メーカーの営業の下に販売会社があって、更にその先にいるエンドユーザーに届けるための二次販社なども存在する。

作ったから売るというのは「プロダクトアウト」理論であり、本来は「マーケットイン」でないといけないのだが、どうしても大きいものには製造コストや設計時間、テスト期間が伸びてしまうので「マーケットイン」を作るマーケティングをせねばならないのが現状である。

AI導入に至って

ネットを見ていると猫も杓子も、我が社もAIだと騒いでいます(笑)
OpenAI社がChatGPT-4o(4 omniの略)を発表して間髪入れず、消耗戦のようにGoogleがGemini 1.5を発表しました。

ChatGPTが2022年11月にリリースされてからどんどん進化しています。
葬儀業界にもチャットボットを使いませんか?と営業がくる時代です。
だが、どの業者も葬儀業界を全く理解しておらず、気軽に案件を取ってこようと。
葬儀業界は奥が深く、幅が広く、更に地域別に文化が著しく変化する。
葬儀業界が提供できるチャットボットは単なる諸手続きの案内、これも地域差があるので近隣の市町村や火葬の手続きに合わせる必要があるので、厄介である。

従業員200名くらいいる冠婚葬祭互助会を運営している会社とお父ちゃん、お母ちゃんレベルでやっている「葬儀屋」と一緒であってはならない。

大きい企業は、まず取締役会、株主、直属の上司(笑)、そして顧客の順番で下っ端は営業せねばならない。
更に予算もターゲットも異なってくるので、営業への影響力も変わってくる。 小さい企業は、取締役=株主でもあり、自分と少人数なので、どうにでもなり、顧客満足度を上げることを優先してしまいます。
問題は予算がないので、広告も大した費用が捻出できない。
そこで小さい企業こそ、AIの知恵を借りようと考えるわけです。

負けたくないならAIの活用を考えろ

一番の課題は普通の葬儀屋さんだけでなく、一般人はエンジニアでないので、このような仕組みの使い方をあまり理解しておらず、LLM(大規模言語モデル)と言えども普通に人との会話をはじめてしまいます。

しかし、結果的に期待していたほどの効果が得られず失望してしまい、無駄に終わります。


チャットボットの歴史

実は1950年10月にAlan Turing氏によってコンピュータの知能を評価するためにチャットボットの開発が始まりました。
これが今でいう、画面に表示されるメッセージ方式でのやり取りでした。
そして、これはすべてルールベースでの会話に基づいて発展し、現在では機械学習になって皆さんが使えるようになり、ELIZAという自然言語処理プログラムの始まりでもありました。
Elizaの場合は予めルールとパターンを基に答えが用意されていたので、機械学習の中の「教師あり学習」ではない。なぜなら経験から学べなかったからです。

しかし、これがどんどん進化して今のLLMになったと言っても過言ではないでしょう。

Turing氏が生きていれば今の状態をどう思えただろうか。
ちなみにTuring氏は1912年6月23日生まれで1954年6月7日に41歳で亡くなっています。
氏が亡くなってからちょうど70年経ったところです。

では、先ほど「一般人はエンジニアでないので、このような仕組みの使い方をあまり理解しておらず」というところに注目していただきたいです。

面倒くさいわ〜!

LLMは日進月歩で進化しているが言語処理にはまだMan-Machine(人―機械)インターフェースがスムーズとは言い難い。
特に日本語は非常に難しいのが言語として最もハイコンテキストであり、文脈から主語を得ることが当たり前としているからです。

これが日本語処理の難しさであり、普通の人の会話のやり取りではLLMが処理できないのである。そして、これをきちんとAIに理解させるには細かく噛み砕く必要があります。
英語でも難しいのに日本語なんてもっと難しいわけです。

普通の人は長いプロンプト(メガプロンプト)を 入力して、効率の悪い指示を出してしまいますがエンジニアは短いプロンプトで処理を小分けしながらLLMを活用し、育てあげていきます。

さて、ここから短いプロンプトを介してAIを活用せねばならないことを理解していただいたと思います。


セグメンテーションを考える

では、ビジネスのおいてどのようにAIを活用せねばならないのか?

まずマーケティングをするには、自分でルールを決める必要がある。

そのルールとは、何をどうするかである。
だが、闇雲にもルールを決めるのではない。

まずは戦略を決めることです。
その戦略というのは、計画ではありません。

AIを使ったお葬式のマーケティング(続編)

まず、葬儀屋さんはAIを活用して戦略を練ることです。


戦略とは、住宅を建てるのを例えとした場合、どういう土地とコミュニティにどうやって建てるかをきちんと把握することです。

そこには不動産を購入するための不動産会社、役所への手続きや、建築士を雇うための費用などを割り出して、どこにどういう家を建てるかレイアウトを出すことです。
そこをベースにどう展開するか。

戦術というのは実行であり、木材を購入してから闇雲にどこかに建てることになってしまいます。戦略より先に住宅を建て始めたら大変なことになりますよね。
つまり、きちんとその土地の地盤は大丈夫なのか、その土地は購入した土地なのかまたは建築許可が下りたところなのか、上下水道はきているのか、電気はどうなっているのかを確認してからでないと無駄が生じます。

もし戦略なきに実行していたら、もしかしたら隣の土地に建てていたり・・・
本末転倒ですよね。

そのなかで計画というのは戦術と一緒でどの材料で何をいつ使うかを把握するためにあります。

ルールとゴールを先に決めるのがセグメンテーションです。
よくあるのがゴールとターゲットが勘違いされることです。

ターゲットはその場の的ですが、トライアスロンの場合、ターゲットは一つずつの項目であり、ゴールはずっと先にあるのと一緒です。そして、戦略の中で「出口戦略」も考える必要があります。

「出口戦略」というのは事業が失敗したときにどう最小限のダメージで引き上げるかのシナリオです。これも最後に入れる必要があります。


AIを活用してセグメンテーションを考える必要があります。
そもそも「セグメンテーション」というのは何か?

「セグメンテーション」というのは、年齢、性別、住んでいる地域を意味し、人口統計、地理的情報です。
そこには市場調査とデータ収集が必要です。

  1. 人口統計
    • 年齢(高齢、中年、若年)でそれぞれ何を好むのか
      • 誰がお葬式を必要としているのかきちんと把握すること平均余命年数表があるので使う
    • 性別
    • 収入
  2. 地域
    • 都市部
    • 地方(密集具合)
    • 環境や規制
  3. 心理的
    • 宗教概念
    • 環境概念
  4. 行動
    • どの地域に働いているのか
    • 環境
  5. ライフスタイル
    • 家族構成
    • 一人暮らし独居老人
    • 地域文化

これを組み合わせたものやかけ合わせたものをAIで生み出す。


次に「ターゲット」を想定する

それぞれにどのような役割を葬儀社が社会に与えるかを考えてみることが大切です。
もちろん、平均寿命(余命年数)を考えるとターゲットは若年層ではないことがわかります。

ターゲットは高齢者であるが、どのような高齢者なのかを決める必要があります。

その高齢者層は地域によってどう思考が変わっているのかなども検討がつきます。
地域によっては斬新な葬儀を好むところもあれば、昔ながらの葬儀を好むところもあります。
予算や式場の大きさによっても変わることが判明されています。

さらに環境意識が高い集団なのか、所得層もその地域によって変わります。

あなたの地域はどのあたりにあるのか。
予算に応じたパッケージを組むことができます。

今後のターゲットは今の葬儀トレンドからすると

  1. 家族葬
    • 多様なオプションを入れ替える方式で金額が上がらない仕組み
    • 多少なりに上がってもよい層が一定数いる
  2. 無宗教葬
    • 音楽や映像の活用をメインに追悼する
    • パーティー形式の通夜のお別れ会
    • お葬式はただの告別式と出棺
  3. 寺とのタイアップ
    • 客の近所の菩提寺を探し出す

どの層も中間層であるが、中間層と言えどもコストを掛けたくない人たちが増えてきた。
大切なのは自分のビジネスのリソースを必要以上に使わないことにある。


自分の立ち位置の「ポジショニング」は?

つまり、次のステップではそれぞれの顧客と自分のポジショニングを把握することが大切です。

上記を踏まえて、アフター葬儀を考えるポジショニングが大切だろう。
葬儀は一回やって終わりではないことが昨今多いが、次が1年先なのか2年なのかは誰もわからない。

自分の立ち位置を把握することはである。
つまり、自分の会社規模と周囲にどのような人たちが住んでいて、どのような暮らしをしているのか。
大切なことは周囲にどれくらい同業者がいるかを把握するところかで、Google Mapを見れば一目瞭然である。
そこから他社の規模、営業力、人員を見ていくことが必要である。

自分の会社が若い世代が多く住む新興住宅地にあるなら、それは明らかに会社の所在地は間違っていると思わねばならない。
立地、所得層、デモグラフィック情報が必要である。
都市部のど真ん中ならまた違うアプローチがある。
やってはならないのは規模が違う会社のマネである。

ポジショニングは社会的だけではなく、物理的にも関係します。
例えば神奈川県藤沢市や茅ヶ崎市の場合、海岸もあり、海浜公園もあります。
この立地の良さを活用しない手はないはず。

しかし、その内容をどの葬儀屋さんも思いつかない。
思いつかないのは、不便だからか、それとも自分が面倒くさいからななのか、葬儀には適さないとの先入観なのか、複合的なものなのか。
お客さんから何を聞いているのかアンケートを取ったことはありますでしょうか?

もしかしたら盲点で誰もそんなことを気づいておらず、ただ「できない」の一点張りで何も受け付けない思想なのかは私にはわかりませんが、見る価値はあるだろうと。

ここまで読んでいただいた方はすでにおわかりでしょうか?

マーケティングの基礎でもある「STP」です。

葬儀屋さんだけでなく、きちんと計画を立てて、順番に基づいて市場開拓をしない限りビジネスは潰れます。

戦略というのは、将棋やチェスでどう相手に勝つかのと、どのような手を打つか色々と模索することで、計画というのは戦術において、チェックシートだということです。

ビジネスのリソースをどのように活用するかが成功への近道です。
市場のニーズ、市場の動向をきちんと読み取ることが大切なことはどの産業においても共通です。

まず、セグメントの規模を把握することです。
次に、そのターゲットにどうようなオファーができるか。
そして、自分はその地域においてどの立ち位置にいるのか。


まとめ

STPは企業マーケティングにおいて必要です。
あなたの市場をどう読み取るか。
どの企業もポジショニングは違いますので、一社ずつの戦略が必要です。

最も大切なことは、お客があなたが言っていることを理解することです。


もしご興味があるならご連絡ください。

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