Wantedly.comの不思議な市場

今日(2016/09/09)、FCCJ(日本外国特派員協会)にてWantedly.comのCEOである仲暁子氏が記者会見を行った。

Press Conference: Akiko Naka, CEO of Wantedly

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Wantedlyは企業の人財マッチング会社であり、人材派遣ではない。
更にクラウドソーシングサービスでもないし、そこに向かって仕事をしているわけではない。
SNSを使って企業がそこにランディングページを作って人財確保するのと、ジョブマッチングを行う。
リクルーティングサービスである。

Wantedly.comはすごく若い会社であり、CEOの仲氏も30歳チョイで、異色の経歴の持ち主である。
そして平均年齢が28歳と言うことだ。

どのようにここのビジネスモデルがあるのかと気になったので、ホームページを見たら、前述したように企業が有料のランディングページを作り、人材確保することが可能だと。

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現在、18,000件の需要があり、5000件の仕事のオファーがあり、月間100万人のアクティブユーザがいるとのことの大きなソーシャル仕事サイトでもある。

ナニがみんなを魅了するのかと言うと、探している方もジョブマッチングをする方も、タグで相手を探すことができる。
エンジニアを探したいなら「Engineer」と入れたり、更に詳しく「Software Engineer」など記述してターゲットを絞っていく。
そして、ジョブマッチングが出来たなら、軽い形で会うようにと。つまりお見合いみたいな形で。
かしこまった形だとお互い(求職者も雇用者も)が長く続かないだろうと。
更にゆるくさせるために、給与や福利厚生のことを載せないことにしている。

そして、日本人の多くが会社を辞める場合、給料の問題は二の次であり、一番大きな課題が人間関係だと。
Wantedlyはそこに目をつけた。
楽しくない人間関係で腐っていく自分をどうやって仕事のモチベーションを上げていくのかと。
しかし、日本人はなかなか転職しない。
転職を恐れているのもある。
転職をすると、ゼロ以下からの人間関係を構築する必要があるからだろうと言う恐れがどこかにあるのだろう。
つまり、転職でバージョンアップではなく、振り出しに戻ると言う保守的な想像から人財モビリティが少ないとも言える。
しかし、すでに終身雇用制度は終わっている。
仕事を選べる時代でもあるし、バックボーンがあればどこでも働ける。
更に語学ができれば(最低でも英語力が必要)。

WantedlyにはMotivation 3.0と言う発想がある。
まず、1.0時代は石器時代で強制的に色々とさせらたときで、2.0は飴と鞭でおでこを撫でながら、ホッペにビンタを食らわす時代で、更に今の3.0は喜びと共感を得てやる気を出させる時代であると。

その中で Wantedly は仕事をするのにワクワクする相手を見つけやすくする仕組みを提供してくれる。
多くの会社がすでに活用し、コラボを可能にする場を設けてくれている。
社長の仲氏は、あくまでもクラウドソーシングサービスでも人材派遣でもないと主張された。

昨今、企業が部門をスピンオフさせたり、人財がいない場合、ハッシュタグを利用して、プロジェクトベースで仕事をするようになり、Wantedlyみたいな仕組みに人気が出ているそうだ。時代はアメーバ的にくっついて、分離する。
プロジェクトベースであるのと、ランサーズが提供するような「コンペ制度」ではないので、エンジニアやデザイナーの仕事を雇い主にパクられることがないのが魅力であるだろう。
そしてクラウドソーシングの仕事は今後AIの発展で多くの仕事が置き換えられるだろうと。
(そこまではちょっと言い過ぎかと思ったけど)

会社の未来は?
今、海外展開している。インドネシアにもオフィスを設けた。
当初は日本人を起用したが、上手く行かなかったのでやはり現地の人をヘッドにしたらスムーズになったと。
郷に入っては郷に従えと言うのだろう。

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そして、英語力はMUSTだと。
日本のマーケットはローカライズしても、所詮日本のみ。
英語ができれば、英語を話せる世界の人たちを相手にできる。
市場が大きく変わる。
故に次の展開はシンガポールとのことだ。ここも英語圏ですね。

今後、力を入れるのはアジア圏だろうと。
しかしやはり、最後のフロンティアはアフリカだろう。
やはり言葉ができることは大切なので、ぜひWantedlyに登録する人たちも英語をもっと身につけて、ご自身の可能性を広げて欲しいです。世界が変わります。