信用インフラを構築

世の中、信用調査ができない人も多くいます。
日本みたいに、信用保証協会がない国も多々あります。

 

日本の場合、物件を借りるにも保証協会へお金を払えばナンとかなります。
当社が入っている東京の物件、WeWorkは2ヶ月の保証金(それも退出時にはほぼ全額バックらしい!)。
しかし、インフラがないところでは銀行口座すら開けない人たちのいます。
銀行口座がない、水道、電気などのライフラインすら・・・

先月、Hello Tomorrow Tokyo 2018 で知り合ったアフリカのケニヤでその仕組を作っている会社をご紹介いたします。

「UTU」でスワヒリ語で「ヒューマニティー」という意味です。
日本語では「人間性」とかと訳されてしまいますが、「人類愛」のほうがしっくりしています。

会社名も文字通り「UTU」です
https://utu.io/

先日、Founder & CEO である、Jason Eisen 氏に出会いました。

JASON EISEN FOUNDER/CEO

今、葬儀の現場の一歩手前でも同じ課題があると意見交換いたしました。
UTUはケニヤのナイロビに拠点を置いて、アフリカで「信用」の連携を作っています。

考え方は至って簡単で「友達の友達は友達」という形で「信用の信用は信用」である。
それを誰かが太鼓判を押す形で成り立ちます。

どんなところで役立つかというと、仕事を得るのに身元保証人に近い形になります。
昨今、ニュースで話題になりましたが、某ソーシャルタクシーのドライバーが某国で女性客を犯してしまったと。
そこには運転手の信用調査がないから、このような悲しい事件が起きてしまったとも言えるでしょう。
U社が悪いのではなく、その国に信用調査みたいな仕組みがなかったのと、誰でもスキマ時間にタクシー運転手として登録できてしまう国のルール作りがなかったのが問題でしょう。もちろん、これは日本では滅多に起きない事件です。

しかし、これはタクシーで乗客を運ぶという仕事だからこそ、起きた事件ですが、これが食事を運ぶ仕事であったら?
つまり出前の仕事(これも同列のU社の宅配事業みたいなことですよね)であって、客に毒を一服盛ったらどうなるでしょうか?
例えば、刺客が送り込まれた場合(とくに途上国ではあり得る話ですよね)。

そんなところで、役立つのがこのUTUという会社です。

会社はアプリを通じて、他人を「推薦」する仕事をしています。
なぜ「推薦」が必要なのかというと、途上国は警察もろくに機能していないので、上記のような悲劇を起こさないためにが最大の目的でもあり、銀行口座を開設することもできない人たちが多いので、その仕組を提供しています。

さて、日本ではどうような問題があるか考えてみましょう。

人生100年の時代を迎えました。
本当に今の平成生まれが100歳まで生きるかは別にして、長寿大国になりますと、70歳で定年を迎えたとして、介護施設に老後入れるかどうかという課題が出てきます。
つまり、支払能力があるかないかという課題になります。
信用調査が機能しない世代になります。
すると、資産があろうかなかろうかその子どもたち(40後半から50代)たちの信用調査に結びつきます。
日本はそんな時代に突入します。

内閣府が平成29年12月に発表した内容でもSociety 5.0云々というのがありますが、基本的に再雇用制度も機能しない人たちの面倒を見るにはどうするかが絵に描いた餅そのモノです。

クリックして20171208_package.pdfにアクセス

それが悪いことではありませんが、葬儀の現場から見たら、Society 5.0だろうがリカレント教育だろうが機能しないわけです。
なぜなら皆さん、全員ヨボヨボだからです。ワークスタイル変革など終わっている状況なんです。
死ぬまで現役な三浦雄一郎氏みたいにスーパー老人(聖闘士星矢の天秤座の老師みたいなお方)でない限り、こんな人は稀にしかいらっしゃらないわけです。

今、厚労省は在宅で看取れるように勧めています。

こちらのホームページのデータ:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html
在宅医療にかかる地域別データ集(更新日:平成29年11月22日)[1,166KB]

神奈川県の一部を見ると、在宅死の割合は国の平均値よりも高いのがわかります。

国は在宅医療を勧めて、できるだけ高額な延命治療を避けたいという現れ方とも言えます。
実際、延命治療をどこまで行うは別の話になりますので、ここでは避けます。
しかし、医療費が嵩んで国の財政を圧迫しているのは確かであり、今までの手厚い医療制度を維持できないのは確かです。
故に保険料や医療費を上げていくしかないのが現実です。

数字のマジックですが、この情報の裏を考えましょう。
国の平均13.0%が自宅死、6.9%が老人ホームでの死。
つまり約20%が自宅及びホームで死を迎えています。
残りの80%は?病院です・・・

話を「信用の推薦」に戻します。

これを維持するには、アフリカ同様な仕組みが必要となってくるというのは、病院や老人ホームに入居できない人たちはどうするのかという課題に似ています。
国としては、特養老人ホームではなく、民間施設に入ってもらう(高い金額を支払う)ことが望ましいでしょうが、そこにどうやって入るか術(すべ)がない人達がこの仕組みを使えるかどうかです。

健康なうちは良いのですが、会社が倒産して思わぬ事態で職を失ったりした場合だけではなく、高齢でなくても転職で次の仕事を得られなくなったとき、自分の力だけではどうにもならないことも多いのです。そこで仕事を探すにも、生き続けるためにもUTUがやっている業務が日本にも必要なわけです。

更に国の方針としては、病院での看取りも避けたいわけです。
とくに高額医療費がかかることは。

実際、医療現場ではトリアージを別にして、死を絶対悪と見ているので、死別の対応を医療現場では教えないのも元葬儀社の社長として見えます。
どうしたらUTUのような仕組みを設けてみんながHappy Endingを迎えられるかもう一度考える必要があります。