今後10年の葬儀のトレンドは

10年後どころか明後日の天気ですらわからないのに、10年後を予測するの?
お笑いでしょうけど、ご愛嬌ということで。

さて、葬儀業界は私が幾度も多くのところで言ってますが、縮小しています。
人が多く亡くなっているのに縮小とはどういうことだ〜って。
人が亡くなる数は多くても、葬儀に使う金額はとても縮小している。

つまり葬送ビジネスは廃れていく産業でもある。
jFuneral.com でも伝えたが、日本の葬儀ビジネスは完全競争市場に近い産業であり、今では儲けを出すには非常に難しくなっている。

葬儀業界があまりにも意味不明であったから、それを優しく説明してくるYouTuber佐藤さんみたいな方がとっても人気がある。
あのお方の本業はYouTuberではありませんので!ちゃんとした正統派の葬儀屋さんです。

その中でトレンド、5年先、10年、15年、20年はどうなるのか。
5年と言えば2025年で団塊世代が高齢者に突入。
10年先と言えば2030年で、高齢者問題に突入。
その2030年はどうなっているのかの予測です。

まず、2025年問題を考えてみましょう。
すぐそこです。
5年先。
世の中はかなり変わっているかと思います。
2011年3月11日のあの出来事から日本はものすごく萎縮しました。
エネルギーに対する考え方も。
しかし、結論から言うと何世代も前に戻りました。
つまり火力発電に。
そして、原発を維持したい国策と電力会社の経営もあり、再生可能エネルギー政策が進まない。
再生可能エネルギーが果たして安全なのか?
山を崩してソーラーパネルを作ったり、そのソーラーパネルを作るのに多くの環境破壊物質を製造したり、またソーラーパネルが壊れたら産業廃棄物以外にはならない問題を無視してでもか。

当時のNHKで流れていた津波警報のTV映像

日本は変わったけど、変わらなかった。
しかし、人は年を取った。
1955年の平均寿命が男性で63.60歳、女性で67.75歳
2018年の平均寿命が男性が81.25歳、女性が87.32歳

一つのトレンドは 「人は長生きする」 

そして、ボケる人が多く増えていく。
その人達をその2世代から3世代下の人たちが支えるようになり、不幸に陥る。
これが高齢者問題でもある。
高齢者問題に立ち向かうには、介護業界を今から充実し、持続可能な仕組みを構築する必要がある。
言うのは簡単だが、予算や人員を考えると非常に難しい課題だ。

次にその人口を支えるに当たって、葬儀業界も大きく変化していくのは、予算を使える人が減っているので葬儀規模が小さくなる。
老老介護で70歳が95歳の面倒を見ている。
そして45歳が70歳の親とその祖父母を見ている。
それを支えねばならないのが2030年にいる小学生たちと30歳くらいの人たちの経済だ。
つまり、2020年、今年生まれた子どもたちだ。
2000年くらいに生まれた子どもたちがすべての不幸を背負っていくことになり、葬儀文化なんかどうでもよくなる。

つまり、彼らはデジタル・ネイティブであり、葬儀などの宗教儀礼などオンラインでしか見ていない(見ているだけでもマシ)なので、葬儀のことなどストリーミング配信でOKという感覚が強い。
このコロナ騒動でオンライン授業を経験し、そのまま会社もオンラインになり、わざわざ満員電車に乗って出社する必要もなくなる生活を満喫するからだ。

オンライン化することで情報の透明性が図られる。
どこが透明性なのかというと、正しい情報と間違った情報が出てきても、結果的に正しい情報に目覚める人が増えてくるだろう。
確かに中国みたいに言論統制をして、ネットで監視し、情報もコントロールしているところでは無理だが、共産主義国家でない限り人は情報通になるだろう。そこに情報リテラシーというのが生まれる。

一つのトレンドは 「情報の透明性」

葬儀の仕組みや金額、儀礼や儀式、すべてがオンラインで晒されるようになる。
更に葬儀社の評価まで。
その評価基準が問題あるのは確かだ。
Googleの評価は誰でも書き込めることが出来る。
FBでも同様に勝手に書き込める。
食べログを見ていても同じことだ。
Amazonの評価はウソ八百だと思って欲しい。

今はそのウソが消えない時代だが、10年もしたらウソがバレる時代になっているだろう。
なぜなら、書き込んだ端末のMACアドレスなどがすべて保管されているから、ウソや誹謗中傷を書き込んだ端末が特定されてしまうので匿名で書いたつもりも透明性により晒されるからだ。
これが良いか悪いかはわからない。
諸刃の剣であり、きちんと使わねばならない。
逆に、ネット自粛警察みたいなのが横暴しないこともない。

葬儀の価格、儀式、意味、すべてが晒される時代になり、業者は誠意を以って対応するのが本当の真心につながるだろう。
逆に、客がそれを逆手に取ったとしたら、それも晒されることになることを憶えておく必要がある。

ある意味、佐藤葬祭の佐藤さんみたいなお方が葬儀の透明性化を誘発してくれている。

その中で、人はよりエコ意識が高くなる。
先ほど述べたように、人はより快適な暮らしを求めるので、ヒートアイランド状態の狭い都会に住まなくなり、より高いQoLを求めるだろうと。
QoLを求めると、仕事と人生のワーク・ライフ・バランスが重要である。
SDGsなんていうのはまやかしである。
江戸時代の日本はすでに持続性可能社会が出来上がっていた。
あまりものは持たず(火事も多かったから)、人々は社会のエコシステムを作り循環式持続性エネルギーで暮らしていた。

一つのトレンドは 「気候変動に意識高い」

葬儀社は現在、ドライアイスを利用して保冷している。
ドライアイスの代わりはいくつかあるが、ハッキリ言うとインチキ商品が多い。
とくにスプレー式除菌剤だ。
このコロナ騒動でもわかっただろうけど、P&G ファブリーズで除菌とかいうCMが一切流れなくなったのを。
消臭効果はあったとしても、言うほどの除菌はしない。
とくにコロナウィルスなんかはファブリーズみたいな生易しい消臭スプレーでは殺せない。
バクテリアで発生する汗臭さは取れたとしても、mRNAウィルスなんか不活性化なんか相当できない。

ドライアイスに代わるものは今でもあるが、それがどれだけエコなのか(エコでないか)も考える必要がある。
そして安全性が担保されているかどうかも。

そして、葬儀は火葬で一回幕を下ろす。
気候変動に関して意識高い系は火葬場の炉がどれだけのエネルギーで稼働しているのか考えたことがあるだろうか?
石油で燃やしているのもあれば、電気もある。
しかし、これはものすごく大量にエネルギーを消費していることを理解しているだろうか?
薪で燃やすことがどれだけエコなのか。
しかし、エコだからと言っても生焼き状態だったり(インド)したら元も子もない。
そして、日本は遺骨を残す文化である。
きれいに遺骨を残すことはできないからより火力を強める。
これって本末転倒なんですが、より安全性を求めるとそうせざるを得ない。
だったら、エンバーミングで防腐処置はどうか?
しかし、その処置した薬品は再度化学薬品で処理して下水に流している。

環境に対して意識が高くなった故に、人々は墓地霊園、火葬も含めた葬送文化に疑問を抱くだろうと。
その時、葬儀屋さんは答えを出せるかだ。

2030年は、そこまで人の知恵は成熟していないと思う。
私が子供のころ、1999年には人類は宇宙へ旅立っていると考えていたが、まだまだだ。
しかし、コンピュータ技術は進歩し、効率良いマシンが今はある。
10年前のマシンを使っているのが無駄にしか思えない。
勝間和代さんが3年に一度はマシンを買い換えるという内容をアップしていたのを覚えている。

2010年3月31日 勝間和代さん@FCCJにて記者会見

当時はもったいないなとケチ臭い考えを持っていたが、今、私もこのCore i5のiMac 27″ 5Kマシンを使っていると、2010年に買ったCore i7のMacBook Proがゴミにしか思えない。
このような総合的に技術発展があると無駄が省けて、他のことも出来るようになり、QoLが上がることにつながる。
結果的、過重労働が減り、エコにつながるのだろうと。

人は長生きする、透明性を求める、そしてエコを意識する