日本はVRで勝てるか?

本日(2016/10/20)、日本外国特派員協会にて日本のVRの未来について、VRコンソーシアム 代表理事 藤井 直敬氏とグリー株式会社 取締役 執行役員 荒木 英士氏の記者会見が行われた。
現場での説明はすべて荒木氏が説明したが、質疑応答は藤井氏と荒木氏両名で行った。

まずYouTube Liveが放送されていたのだが、21時の時点でデータが非表示になっているので、レンダリング中であることを願っている — 私も質疑応答しているからだ。

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VR技術と言うのは、今日突然この世に現れたモノではない。
実は、だいぶ前から存在している。
しかし、今月に入って、やっと一般的に購入できる価格帯になってきただけだ。
これはソニーのプレイステーションVRのおかげで一気に一般家庭に普及しだした。

今ではVRの可能性はゲームだけではなく、医療現場での遠隔操作(内視鏡手術支援ロボット ダヴィンチなど)、人間が行けない危険な場所のドローン操作などでも活躍中だ。

さて、荒木氏の話では、グリー社はこのように見ている。
VRの業界は3つの階層にて別れている。そして別途投資家がいる。
一番上は:コンテンツを作る会社(映像やゲームなど)、
中間は:ツールを作る会社(ドライバーや映像ツールなど)、
一番下は:ハード(物理的なヘッドセットやコントローラ)とソフト(ファームウェア)を作る会社。
これらがあって、やっと製品が出来上がる。


そこで、唯一、すべての階層に入っている会社はソニーである。
ゲームのハードもソフトも更にそれを作り出すツールもあれば、コンテンツビジネスもある。
下記の図を見ていただけると3層に分かれているのが確認できる。

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日本ではハードを作っている会社がそれほどない。
やはりコンテンツの方が多い。
日本はクールジャパン戦略にて、アニメやマンガなどが盛んだ。
これがすべてVRのコンテンツになることを理解して欲しい。
しかし、投資家は日本であったり米国であったり、日米共同であったりする。

逆に中国は面白いことに、すべて中国国内の会社で賄える技術がある。
この3層すべて、中国内の会社で作り上げることができるパワーを持っている。

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中国の場合、投資家も中国内で完結しているので中国でのビジネス展開はこれらに所属する必要があると見ても良い。
中国はかなり力を入れて、AR/VRゲームセンターまでも作り始めているとのことだ。

さて、日本はどうなのか?
日本は不思議なことに「ゲームセンター」が未だに存在する唯一の国でもある。
このゲームセンターがあるからこそ、日本人は最新テクノロジーを自分の身銭を切る必要なく楽しめるとのことだ。
ゲーセンが入れてくれるからこそ、何十万もするシステムを数百円でお試しできる仕組みがあるそうだ。
最近、自分もゲーセンには入ってないので、どうなっているかは不明だが・・・

とくに日本の場合、ガラケーからスマホへの変化の時代(2010年)だが一気に訪れた。
他の国では緩やか変化だが、日本は数が一気に逆転した(売上台数か売上高だかは不明)とのこと。
データはたぶんガートナーなのかも知れないが2010年はまだiPhone 3GSが出荷されて間もないころで同年の6月にiPhone 4が発売された時期だ。あのグラフはちょっと信じがたいのは、調べてみると2014年にMM総研は逆転していると報告している。
もう一つのグラフも2014年となっていたからだ。原因はLINEやパズドラとのことだ。
現在、YouTube Live Streaming 映像がないので、確認しようがないので、上がってきて確認が取れたら、再度ここにて報告をするのでお待ち願いたい。

しかし、日本人は、ファッションと同様に新しいモノ好きであるので、流れに乗るとそれが一気に大ブレイクする。
そして、もう一つ海外と違うのはスマホの環境もiPhoneが優位でもある。他国はみんなAndroidが大幅に出荷台数がある。

Bloomsbergの記者から指摘があり日本は特有で、日本のみで流行るゲームなどがあり、世界では数的に通用しないモノも多い。VRアプリ(コンテンツ)はどうなのかと。VRにはキラーアプリが必要だと。

現在、AR/VRは新しい技術であり、規制を強く設けているとのこと。
子どもたちにどのような影響を与えるかも見えていない。
視力にどう影響するのかも未だに不明だ。
子どもたちは現実と仮想の世界の区別もきちんと理解していないだろうから、教育も必要だろうと。
これが明確になればなるほど、規制は徐々に解除されるだろうと。
今は厳しくしておく必要があるのは、みんなどこまで信用してよいのかが不明だらだ。

携帯はともかく、VRヘッドセットを利用して、どうしても避けれないものがある。
これは重さと眼鏡をかけている人への配慮がない。
そして、「VR酔い」と言うのがある。

このVR酔いについていつごろにこの酔いがなくなる時代が訪れるのか質問を投げかけてみた。

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藤井氏によると、すでにプレステVRは克服してあり、数時間遊んでいても酔わないとのことだ。
これは、ソニーが厳格に基準を設けたから、そのガイドラインにすべてに従わせたと。
たぶん、これなら今後フライトやドライブ・シミュレーターに使える可能性が高くなる。
しかし、シミュレーターは外の風景を見るVRとスイッチを作動させるためにAR技術の両方が同時に必要である。
あとは手袋型のコントローラだろう。

これから、高性能型で且つ軽くて、メガネをかけている人や目の疾患やハンディがある人たち、耳が不自由な人たちへも対応していくだろうと願っている。たぶん、現実と仮想の世界が融合されて見えてくる時代もそう遠くないかも。